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おうち教育で子ども2人医学部合格

子育ては素晴らしい経験だが、イライラもする 後編

 

 

こんにちは、ともきりママです。

 

前回からの続きです。

 

4.イギリスの虐待対策

 

子育て中にイライラがたまると、子供に対する反応が過剰になり、その結果、身体的な虐待や精神的な虐待を行う可能性が高まります。

身体的な虐待とは、叩いたり、蹴ったり、殴ったり、引っ張ったりする身体的な攻撃や傷害を与える行為全般を指します。また、子供を放置したり、飢えさせたり、病気やケガを治療しなかったりすることも身体的な虐待に該当することもあります。

精神的な虐待は、子供が成長する上で必要な愛情を与えなかったり、子供の尊厳を損なったりすることです。具体的には、無視、拒絶、軽蔑、侮辱、威嚇、責め立て、恐怖心の煽り、など言葉や態度を通じて子供の心を傷つける行為全般です。精神的な虐待は、身体的な虐待や性的な虐待と同じく、深刻な影響を子供の心身に及ぼし、後遺症を残すことがあります。

このような虐待行動は、自分自身の経験や感情、ストレス、不安、鬱などの心理的要因によって引き起こされます。例えば、過去に自分が虐待されたことがある場合、そのトラウマによるストレスや不安感が、子育て中によみがえりイライラの元になる場合があります。また、自分の能力に自信を持てない場合も原因になることがあります。さらに、睡眠不足や疲れ、貧困、夫婦関係の不仲なども原因になることがあります。

 

 

イギリスでは、毎年約70,000件の子供の虐待が報告されています。内訳は、身体的、心理的、性的な虐待はそれぞれ3分の1ずつぐらいです。イギリスには虐待の通報システムがあり、医療従事者や教師、児童福祉関係者は虐待に気づいた場合は通報する義務があります。その上、一般人でも虐待に気づいた場合は速やかに警察に通報します。例えば、隣の家の子供が泣き叫んでいる、怒鳴り声が聞こえる、子供を家に置いて買い物に出かけた、スーパーの駐車場に停めた車に子供を放置した、など、あっという間に通報されて警察が飛んで来ます。普段は個人主義のイギリス人ですが、子供の虐待に関しては監視の目を光らせます。知人は子供を家に置いて出かけて1時間もしないうちに帰ってきたら家の前にパトカーが停まってたそうです。隣人の通報でした。また、お店の中で駄々をこねる子供を強く引っ張ってた親が店員さんに通報されかけた話も聞きます。イギリスでは、このように社会全体で虐待を許さないという風潮があり、子供は社会全体で守るという考えが浸透しているように思いました。

 

以下の動画は、イギリスのNSPCC(全英児童虐待防止協会)が制作した、言葉の暴力が子供を追いこんでしまう精神的な虐待のビデオです。字幕設定で日本語にもできます。

 

www.youtube.com

 

5.まとめ・虐待になる前に

 

親として、子供を愛し、尊重し、子供が幸せになるように育てることは大切です。けれど、親自身が身体的にも精神的にも疲れているとイライラし、子供に対していつもより厳しく接してしまうこともあります。どの親もそうだと思います。そのイライラが高じて虐待になってしまう前に、3つのやるべき事があります。

  1. 自己コントロール自分の気持ちは自分しかコントロールできないので、自分で抑えるしか手段はない、と認識する。押さえられない場合は、子供の安全を確保した後、子供から離れる。(隣の部屋やトイレに行くなど)
  2. 負の連鎖を断ち切る:もし、あなたが叩かれたり暴言を吐かれたりして子供時代を過ごしてきた場合、そういう毒親にならないという強い意志を持つ。
  3. 助けを求める:もし、あなたがもうどうしようもないと思っていたら、配偶者や親や兄弟、友人や小児科医、ヘルプライン、などに助けを求める。

 

誰かに助けを求めることは、相手に負担をかけることだと躊躇してしまう考えもあると思いますが、それは違います。頼られた人はあなたに快く手を差し伸べてくれますし、あなたを助けたいと思ってくれます。だから、イライラが止まらない、もう子育てに疲れたと感じるなら、誰かを呼びましょう。

 

私の場合ですが、子供の泣き声がするからと、隣のイギリス人の奥さんがチョコレートを持ってやって来ました。すごく親しい間柄でもない彼女の優しさに涙が出ました。子育ては、楽しい時ばかりではなく辛い時もたくさんあります。誰かに頼っていいし、また、頼って来た誰かに手を差し伸べたいものです。

 

ともきりママ